クモ膜下出血
くも膜下出血
- 発症すると3人に1人が死亡し、3人に1人しか社会復帰することが出来ない重篤な疾患で、突然バットで殴られたような強い頭痛と首が硬くなることを症状の特徴とします。
- 原因はほとんどが脳動脈瘤破裂によりますが脳動静脈奇形や静脈性のものもあります。
- MRI検査であればくも膜下出血の診断とその原因の解明を一度に行えます。
- 脳動脈瘤は破裂から翌日までに20-30%程度再破裂すると言われ、もし再破裂すると致命的(再出血時の致命率50%)となることが多いので、再破裂予防治療が適応となります。
- 治療は開頭クリッピング術と血管内治療(コイル塞栓術)がある。
- 脳動脈瘤の状態や患者様背景に応じてテーラーメイドに治療方法を決定します。
- 出血後後4-14日目に脳血管主幹動脈が細小化する脳血管攣縮期という時期になります。
- この時期は脳血流不足により脳梗塞を起こすことのなる非常に不安定な時期ですので、抗血栓療法や点滴(水分バランス管理)により脳虚血や脳梗塞の予防治療を実施します。
- それでも症状が出現した場合は血管拡張薬(エリル®)をカテーテルから頭蓋内動脈に直接投与する治療法を実施することもあります。
- 発症から2週間-1か月の間に水頭症という、脳脊髄液が脳室にうっ滞し、認知症や歩行障害などを起こす疾患となることがあります。その場合はシャント治療が必要となります。
- 重症度に応じて入院期間が異なりますが、大体1か月から2か月程度の入院となります。
- リハビリが必要な状態であれば社会復帰を目指し、リハビリ病院へ転院することとなります。