脳出血
脳出血
- 原因のほとんどが高血圧であり、穿通枝と呼ばれる細い血管に小さな瘤が出来て、それが破裂することで発症すると言われています。
- 他の原因として加齢に伴い異常蛋白が血管に付着し、脆弱となることで出血を起こすアミロイドアンギオパチーや動静脈シャント疾患、海綿状血管腫、脳腫瘍などがあります。
- 脳出血が大きく、正常脳が強く圧迫されている場合は外科治療が考慮されます。
- 出血部位は多い順に被殻・視床・小脳・橋・皮質下となっています。
- 血腫除去術の適応となる出血部位は被殻・小脳・皮質下の3カ所です。
- 皮質下出血では高血圧以外の原因が隠れている可能性があり、造影剤検査を要します。
- 外科治療には止血に有利な開頭術と低侵襲な神経内視鏡術があります。
被殻出血
- 強い麻痺と場合によっては失語が出現します。
- 血腫が大きければ開頭血腫除去術、内視鏡血腫除去術の適応となります。
- 高率に麻痺が後遺症となります。
視床出血
- 感覚障害、麻痺が出現します。
- 血腫除去術は予後を改善するデータがなく適応外です。
- 脳室内出血がある場合は水頭症となることがあります。
- 水頭症では脳室ドレナージ術や脳室内血腫に対する内視鏡血腫除去術が適応となります。
小脳出血
- 強い悪心・嘔吐、場合によっては意識障害が出現します。
- 血腫量が多ければ開頭血腫除去術の適応となります。
橋出血
- 血腫の大きさにより全く重篤さが異なります。
- 眼球運動障害、構音障害の出現率が高いです。
- 手術により予後が改善するデータはなく、残念ながら外科治療の適応はありません。
- locked-in syndrome(閉じ込め症候群)の原因となります。
皮質下出血
- 高血圧以外の原因が考慮される脳出血です。
- 精査は造影CTもしくはMRIにて実施されます。
- 血腫量が多い場合には摘出術が検討されますが、原因疾患によって治療方針が異なります。
脳室内出血
- 脳室内への出血で、血管の異常を伴うことが多いです。
- 脳動脈瘤、モヤモヤ病などの除外を要するので造影剤による検査が必要です。
- 特に大きな血管異常のない脳室内出血は予後良好であることも少なくありません。